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淡雪 1~4

2006-08-08 Tue 19:49
「うー寒い…あ、雪だぁ」
縁側を台所へ向かいながら尚子が言った。
暫く眺めていると後ろから、
「何を朝から騒いでいるんだ?」
祖父 政太郎だった。
あ~ここおじいちゃんの部屋だったと考えながら、
「おじいちゃん、雪!!寒い筈だよね~。寝雪になるかな」
まるであどけない子供のように外を見ている。
「まだ11月だ。積もらんよ」
政太郎の言葉に尚子は肩を落とした。
二人で台所へと歩きながら尚子が言った。
「そういえばおばあちゃんが死んだ日も寒かったよね」
祖母の雪子が他界して3年になる。
「そうだな」
政太郎はまだ寂しそうだ。
「ねぇ、おばあちゃんておじいちゃんの初恋の人?」
急な尚子の問いに驚いた政太郎。
「ゴホッゴホッ…何を言うか」
「いいじゃない、教えてよ」
詰め寄る尚子。
「ね~教えてよ」
「わかったわかった。朝御飯食べたらな」
観念した政太郎を見て上機嫌で台所へ入った尚子を待っていたのは二人を遅いと言わんばかりに睨んでいた母の姿だった。





「恐かったぁ」
お茶を持って政太郎の部屋に入りながら尚子が言った。
「はっはっ。寝坊して騒ぎながら行った儂らが悪いが、あの顔は恐かったな」
政太郎の顔を見て本当にそう思っているのかと疑ってしまう。
「じゃあ儂の気が変わらんうちに話してやるかな」
尚子の顔がぱっと明るくなった。
「婆さんにも話してないんだ。内緒だよ?」
口の前に指を立てて政太郎は言った。





「あれは儂が今のお前ぐらいの歳かな」
遠くを見るように話し始めた。
「相手の人は?なんて名前?きれいだった?」
「これこれ、そんなに焦るな。確か同い年だ。とても綺麗な人でね、名前は…お前と同じ『尚子』というんだ」
私の名付け親は確かおじいちゃん…
「私はその人から名前をもらったんだ?」
「あぁそうだよ」
征太郎はこの名前をつけると言い張って譲らなかった。
「その…尚子さんとの出会いは今日のような寒い日…とは逆の―」
「違うのかい!!」
「笑いを取ろうと…」
尚子の鋭いツッコミに征太郎は少ししょげてしまった。
「笑いは取らなくて良いから続き!!」
今朝の嫁と同じ顔だと征太郎は思ってしまった。
「真面目に話すよ。とても暑い夏の日だった――。」



〇〇年前
「暑い。何故僕はこんな暑い日に学校なんかに…夏休みなのに…。いや、講習なんだが…」
ぶつぶつと独りごちながら征太郎は通りを歩いていた。
暫く歩いていると、近くで小さな悲鳴が聞こえた。
「きゃっ」
声のした方を向くと若い女性が転んでいた。
「大丈夫ですか?」
つい声をかけてしまった。
「あ…すみません…」
征太郎のさしのべた手を借りて女性は立ち上がった。
「怪我はありませんか?あぁ、今ので日傘が少し折れてしまいましたね」
そう言いながら日傘を拾おうとしたとき、
「きゃあ」
「危ない!!」
また転びそうになった女性の体を支える。
何故またと思って下を見ると足首が赤くなっていた。
「足首痛いですか?」
「はい…少し」
どうやら捻ったようだ。
「少し冷やした方がいいですね。そこの公園で休みましょう」
そう言って公園のベンチに座らせて、征太郎はハンカチを濡らしに行った。
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<<対談 (a's さん と 例嬢) | 言の葉一片 | 2006年 8月8日(火)>>
この記事のコメント
ありがとうございます☆
a’sさん>訪問、及び素敵な作品をありがとうございますm(__)m

非常に楽しい作品ですね(^^)

随所にボケとツッコミが入ってて、とても面白いです☆

純愛になるのでしょうかw?それとも波乱なんでしょうかw?

とても続きが気になりますww

早く読ませてくださいねwww

タイトルも凄くキレイですね☆

期待させていただきますwww(^^)

この度は本当にありがとうございましたwm(__)m
2006-08-11 Fri 03:32 | URL | 檸檬 #-[ 内容変更] | ∧top | under∨
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