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優しさ

2006-07-21 Fri 00:20
眠れないので気分転換をしに何となく『ロビー』に行ってみた。
すると、そこには既に『先客』がいた。
『大人』だ。
珍しいことである。
別の場所にちゃんと『大人用』の『ロビー』が用意されているからだ。
『彼』はぼんやりと青白く輝く月光の中で『煙草』の煙をくゆらせていた。
『自分』の足音に気が付いて、こちらを振り向く。
「眠れないのか。」
「はい。」
「『煙草』吸うか?」
「未成年ですが。」
「別に構わん。『ここ』には未成年の喫煙を咎める奴はいない。それに、どうせ『部屋』では吸ってるんだろう?」
「では、ご好意に甘えまして。」
『彼』は軽く口の端を上げて、『煙草』と『ライター』を『自分』に手渡した。
一本抜き取り、火をつけて、『二つ』をテーブルに置く。
「何故『こちら』の『ロビー』に?」
「『俺』は『元子供』だからな。『こっち』の方が落ち着く。」
「そうでしたか。」
「『俺』も眠れなかったよ。『仕事』にはいずれ慣れた。『最初』の『一人』を殺してしまえば、『何人』殺したって平気になる。『花』を手折る感覚と『人間』の『命』を奪う感覚が大して変わらなくなるからな。…だけど、『俺』と同じ『子供』が死んでいくのを見るのだけは辛かった。」
「…そうですね。『自分』も『仲間』を亡くしました。」
「…『処分』されたのか?」
「…いえ、『自殺』です。」
「…そうか。」
『彼』は立ち上がって、『廊下』へ向かっていった。
「『煙草』をお忘れですよ。」
「『お前』にやる。大事に吸えよ。」
「ありがとうございます。おやすみなさい。」
「おぅ、おやすみ。」
『ここ』に来てから初めて、『大人』から吸いさしの『煙草』一箱分の『優しさ』を貰った。
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