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解放

2006-07-03 Mon 04:55
『ここ』に来た当初は『誰』とも『会話』をしなかった。
そんな『気力』が無かったからだ。
『訓練』が終わるやいなや『部屋』に閉じ篭もって、『食事』もろくにとらなかった。
突然こんな所に放り込まれたら、どんな『人間』でもそうなって当たり前だろう。
いつものように『部屋』に居ると、控えめなノックの音が聞こえた。
黙ってドアを開けると、『自分』より2、3歳年上の『女の子』がトレイを持って立っていた。
「『ご飯』まだでしょ?一緒に食べよ。」
と、勝手に『部屋』へ入ってきた。
呆気にとられている『自分』の横を通り過ぎ、食卓の準備をする。
「ほら、冷めるから早く座って。」
『彼女』に言われるままに座って食べ始める。
黙ったままお互い全部食べ終わると、『彼女』は食器を片付けて、
「じゃあ、またね。」
と、言って帰っていった。
こんなことがしばらく続いた。
『自分』は『彼女』に尋ねてみた。
「何で『一緒』に『食事』をするの?」
『彼女』は、
「『独り』で『食事』をしたって、味気ないでしょ?」
と、にこやかに笑った。
『ある日』、『彼女』は『部屋』を出て行く時、
「じゃあね。」
とだけ言って出て行った。
その時何故『自分』は気付かなかったのだろうか。
いつも『彼女』は必ず再び訪れる言葉を残していったのに。
『次の日』、『彼女』は来なかった。
『自分』は思い切って『彼女』の『部屋』を訪ねてみることにした。
『他人』の『部屋』に行くのは初めてだ。
ノックをしてみたが、『返事』が無い。
「失礼します。」
と、静かにドアを開けた。
『彼女』はベッドに横たわっていた。
寝ているのかと思い、傍に近寄ろうと踏み出した足に『何か』がぶつかった。
『空』の『薬ビン』だった。
ラベルには『毒薬』に分類される薬品の名前が記されていた。
『彼女』が『地獄』から『解放』されたのだと思うと、『涙』は出なかった。
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