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光の射す場所

2009-04-20 Mon 21:12
君の瞳の奥に光を見た。

その瞳は奥深く・・・。

その深淵に吸い込まれそうなほどに。

そこから響く轟音は・・・。

亡者の呻きか・・・。

あるいは生者の嘆きか・・・。


地を這うもの・・・。

深海を泳ぐもの・・・。

天を舞うもの・・・。

君の瞳は何を捕えている?

あるいは、何も・・・。


この、虚ろな目に射しこむ光は・・・。

あまりに眩しすぎるかもしれない。

だが、光が射さなければ・・・。

この小宇宙に存在する朽ちた砂漠は・・・。

息を吹き返すこともないだろう。


この、あまりに眩しく、あまりに神々しいまでの光。

それはどこから・・・。

そしてどこへと・・・。

射すのだろう。


二つの水晶玉に射した光は・・・。

屈折しながら、己の奥底へ到達する。

その光源がなにであるかは知らずに。


もう二つの水晶玉から射しこんだ光は・・・。

屈折しながら・・・。


鏡に映る自分と、鏡に映される自分は・・・。

どちらが本物なのだろう?

きっと、どちらも本物なのだろう。


鏡という媒体を経て、お互いが一対であるがゆえに・・・。

そこに存在の意義を見出す。

光も同じなのだろうか・・・。

光が射すもの、光に射されるものが一対であるがゆえに・・・。


光に射されていた水晶玉は、光が射していた水晶玉でもある。

原点が終着点でもあるのだろう。


だから・・・。

君が君でいることが、僕が僕でいられる証しなのだ。
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さくら

2009-04-10 Fri 13:38
それは風が舞う中に戯れる薄紅色の妖精。

古来から、我ら日本人を象徴する、誇るべき花。

年に一度この季節にもっとも輝きを放つ美しい花。

この季節が過ぎると、ほとんどの人の心からその輝きはあせてしまう。

美しく、儚く、神秘的な花。


多くの人は、この花と同様に咲き乱れる。

この花と同じように、薄紅色の妖精になる。


この木の下には、死体が埋まっている、と誰かが言った。

人々がこの花に酔い、歓喜を歌い、心が穏やかになるのは、

下で眠っている誰かの代りなのかもしれない。

この花が咲いている時くらいは、

人々の心が闇で押しつぶされないように、

「彼」がひと時の安らぎを与えてくれているのかもしれない。



小さいときは、君がキレイだなんて、あまり思わなかったよ。

正直なところね。

ただ、周りが、周りの大人たちが、世間が、お祭り騒ぎになっているから、

なんとなくそれに合わせてただけだったよ・・・。

すぐに散ってしまうのに、やっきになって騒ぐ意味がよく分からなかった。

まあ、実際に、そういう部分もあるのだろうけれど。

でもね・・・。

今なら分かる気がする。

遅くなってごめんね。

今なら・・・。

今の僕なら、君の魅力に気づいてあげることができる。

僕も少しは大人になれたのかな?

君はどう思う?

さくら色に覆われた街の・・・。

さくら色の風の中で・・・。

さくら色に心を染めて・・・。

さくらが満開に咲き乱れた一本の木を見つめながら・・・。


僕はふと、そんな事に思いを馳せている。

風に舞い散った、脆く、儚く、美しい、一片の薄紅色の夢を握りしめて。
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