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the avenue to… 3

2007-04-08 Sun 04:39
車って素晴らしい…
山岳訓練の後ほどこう思うことはない。
あぁ…あとは湿地演習か…
神崎少将の部屋へ向かいながら思う。
ここか…
あまり来ない場所なので少し迷いそうになっていた。
コンコン
「莉横澤中尉入ります」
「どうぞ」
恐る恐る入る。
来客中か?
少将と補佐官の他にもう一人…
思いきり睨まれた…
「あの…後程…」
「いや、ちょっと待っていてくれ。ほら、仕事しなきゃなんだから早く帰れ。お前だって暇じゃないだろう」
「琉がYESと言えば良いだけじゃない!!お願いだから戻って!!」
「ラチがあかない。トーマス大尉、こいつを連れて行ってくれ」
「了解しました」
「ちょっとまだ話は…ちょ…トーマス大尉放して…こら……放せ…この…」
バタン
女の熱血漢というかなんというか…凄い人だった。
擦れ違うとき見たことのあるような気がした。
「済まないな横澤中尉。」
「いえ、ただあの人…」
「気付いたか?TVに出ているときとは凄い差だろ?あんなんでもアイドル出来るんだな」
それで見たことあったのか。
でも…名前がわからない。
後で藍欒にでも聞くかな。
「お知り合いなんですね」
「あぁ、あいつあれでもうちの軍の救護隊員だったんだ。士官学校の同級でね」
"戻る"と言うのは?
喉まで出かかったが飲み込んだ。
聞いてはいけないような気がした。
「早速本題に入ろう」
場の空気が張り詰める。
いつの間にかトーマス大尉も戻っていた。
「これは一部の者しか知らない。口外はするな」
「了解致しました」
どんな話しなのだろう。
何故私に?
とても緊張する。
「もとからこの国は地下資源を巡って侵略を受けてきた。その度に返り討ちにはしていたがな。だが、まだ懲りない奴がいてね…」
ふと神崎少将の目が逸れる。
「トーマス、椅子を。済まない、怪我をしているのに立たせて」
「いえ、大丈夫です」
「痛みを感じなくても安静にしないと、座って。癖になったら本当に大変だから」
「はぁ…」
促されるまま椅子に座る。
気を使わせてしまったのが申し訳なく思う。
「で、上は早急に片付けたいらしくてね。しょっぱなからこの特殊部隊に出動させることにした」
そこまでするのか…
少し引っ掛かりを感じる。
「何故と思うだろう?相手は西の帝国と言われるウィラーノなんだが…うちの国の反政府組織に手を貸しているらしい」
「な…それは事実だなのですか!?」
思わず身を乗り出してしまう。
「はっきりとした情報を掴んだ訳ではないが、9割方だな」
大国が後ろにいれば鎮圧は難しい。
「うまくいけば反政府組織の鎮圧にも繋がる」
「しかし、何故その話を私に?」
「君を私の直轄の部隊の隊員として作戦に参加させる」
「!?…何故ですか!?私より優れた兵士は1隊や2隊に大勢居る筈です。もちろん3隊にも」
どういうことだ?
特殊に配属になってまだ半年…おかしすぎる。
「私は使えると判断すればどの部隊からも召集を掛ける。」
「では、私に決めた理由をお聞かせ願いたいです」
このまま受け入れれば先輩方から絶対何かくる。
「理由ときたか…なんと言ったら良いのか……まぁなんと言ってもその足だな。」
「足…ですか?」
「そうだ。君が落ちかけたD地点から頂上のポイントまでは軽く10kmはある。そこを何もなく普通にあの速さで登るのは無理に近い。全く登山道の整備されていない所を1時間では登れんだろう?」
確にそうだ。
「それに、3隊の隊長から君は非常に優れた兵士と聴く。戦闘訓練は見たことはないが、彼の話しから十分過ぎると判断した」
「ですが…」
「断る理由でもあるのか?」
理由のようなものはある。
上下社会なので、先輩兵士の反応が恐い。
しかし、そんなこと言える訳がない
「いえ、ございません」
「協力有難う。正式に命令が下ったらまた呼ぶ。それまでは安静にして、怪我を治すように」
「了解致しました」
敬礼をして部屋を出る。
一気に力が抜け、壁にもたれかかる。
「大変かも…………」
自分には荷が重すぎる感じもするが、命令となれば絶対。
こうなってしまったのならば全力を尽すのみ。
「とりあえずは足を治さなきゃ」
今後の事を悶々と頭に巡らせながら、住居区の自分の部屋へ戻った。
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the avenue to… 2

2007-03-21 Wed 23:31
「あ~…着いた…」
莉の目の前に少し開けた場所が広がった。
そこには各々に休んでいる仲間がいた。
「莉!!大丈夫!?さっき無線で落ちたって!!」
仲間の一人が声を掛ける。
とても心配していたようだ。
「藍欒…大丈夫だって。ちょっと滑っただけ」
「んな訳ないだろ。藍欒、応急セットもって来てくれ」
莉が答えた側からロンが冷たく否定する。
さっきどついたのを根にもっているのだろうか。
藍欒はロンに言われるとすぐに応急セットを取りに行った。
「お前はそこに座ってろ」
「何故?大した怪我はしていない」
莉はたっていられないような怪我はないと思った。
あの崖からここまで10㎞は歩いた筈だ。
そんな怪我をしていたら歩いていられない。
「歩き方がおかしい。ひねったんじゃないか?」
ロンはそう言うと莉の肩を掴んで近くの岩に座らせた。
靴を脱がせ、足首を見ると確かに腫れていた。
「あ、腫れてる。全然気付かなかった」
「気付かなかったら普通はかばって歩かんだろ。本当にお前の神経っておかしいよな」
少しカチンときた。
しかしロンが行ったのは間違っていない。
確かに自分はおかしいと思うことは多々あった。
何をしてもあまり痛みを感じない。
刃物で斬ろうが骨を折ろうが周りが騒ぐ程痛かった覚えがない。
今回のような程度の怪我は人に言われるまで気付かない程だ。
「ほいよ。今日は帰ったら自主トレは止めてさっさと寝ろよ」
考えているうちに手当ては終わっていた。
「なんかあったら言ってね。無理はしちゃ駄目だよ」
無理はって…ここ徒歩で下山だよな…
安静には出来ない。
どうするべきか…
「なんだ、怪我したのか?」
背後から声を掛けられた。
「神崎少将!!いえ、大したことはないです。ちょっと捻ったようですが…」
「捻挫か…癖になると困るな…そこに救護班の車があるから乗っていけ」
この山の何処に車の通れる道があったのだろう…
「すみません」
「気にするな。君はうちの貴重な戦力だからね」
会釈をして車に向かった。
「横澤莉!!」
呼び停められた。
「なんでしょうか」
「基地に戻ったら話がある。怪我をしているところ悪いが私の部屋まで来てくれ」
「はぁ。了解しました」
何故戻ってから?
ここではまずいのだろうか……
少し引っ掛かりを覚えたが、莉はこの場を後にした。
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the avenue to… 1

2007-02-06 Tue 23:58
晴れ渡る空、心地好い風、澄んだ空気、清らかな川の流れ…そんな山の中に彼女はいた。
「やば…」
渓谷の崖の木にぶら下がっている。
下には急流が見える。
落ちたらただでは済まないだろう。
「まずった…あんなとこで足を滑らすなんて…」
足場の悪い所を歩いていたので細心の注意は払っていたのだが、腐った草に足を滑らしてしまった。
ポケットからトランシーバーを取り出す。
「Lから3隊どうぞ」
……………。
出ない。
「Lから3隊どうぞ」
「……どうぞ」
繋がった。
「D地点の崖に落ちた。救助を頼む」
「すぐ向かう」
助かった…訓練を受けているとはいえ、この落差……普通の人ならば震えが止まらないだろう。
「流石の私だって怖いっての」
早く来てくれと心の中で叫ぶ。
ガサガサ…
「莉(れい)!!大丈夫か!!」
「あ~!?んな訳ねーよ。早く上げて!!」
仲間が直ぐ様ロープを垂らした。
先の輪をベルトに引っ掛けて合図を出す。
「よし、上げろ!!」
あっと言う間に莉の体は崖の上に上がった。
「サンキューロン。助かった」
「たまたま近くに居たからな。一体どうした?」
「そこから滑った。我ながら情けないったらもう…」
「お前うちの要なんだから気を付けれよ」
「うるせー。ロンだって近くに居たって事は最後尾だろ」
「違う!!二番目だ。まだ一人後ろに居る!!」
変わんねぇよと喉まで出かかった。
「まぁとにかく先を急ごう。こんな訓練で残業なんて嫌だ」
「滑った奴が何を言うか」
後ろから思いきりどついてやった。
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頂き物 淡雪 (a's)

2006-11-12 Sun 17:13
a'sさんから淡雪8~最終話を頂きました。
ついに完結です。
ありがたいことに、後書きまで頂きました。
a'sさん、ありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
では、淡雪の後書きをどうぞ。



こんにちは(こんばんはか?)a'sです
この度は私の"淡雪"を読んで下さって有難うございます。
面白いと思って頂けたのなら幸いです
哭かば強引に例嬢に書かされたこの短編小説。執筆には1年掛りました

更にある日突然載せて良い?と言われ…
断れない性格と知ってのことかと…
……………このやろう……………………
次回作は……あるの?(誰に聞いてんだ?)
まぁ溜れば例嬢が載せるでしょう。
そして檸檬がコメント書くでしょう。

まぁぼちぼち書きます。
そして例嬢の家に遊びに行ったら再び登場するかもですね。
次回作も読んで頂けるよう頑張ります。
では。。。
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淡雪 8~最終話

2006-11-12 Sun 17:07
それからは週に一回、公園で他愛のない話をした。
たまにばあやも一緒に来ることもあった。
名前は"お妙"さんというらしい。
話の内容は些細なこと。
家の事、学校の事、友達の事。
いつも政太郎ばかりが話しているような気もしていた。
「ごめんなさい…いつも僕ばかり話しているように思うのですが…」
「いいえ。全然。とっても楽しいです。私…あまり外に出たことがないので…外の出来事がどんな些細なものでも面白いんです」
ならいいがといつもこんなやりとりをしていた。
ただある日のこと。
「もしかしたら…もうすぐ来れなくなるかも知れません」
「えっ…どうしたんですか?いきなり」
突然の言葉に驚く。
「いえ…ただなんとなくなんですけど」
この次の週だった。
「政太郎様!!」
今までに聴いたことのないような声でお妙に呼ばれた。
「どうしたんですか!?お妙さんがこんなに慌てるなんて…」
「お嬢様が…尚子お嬢様が!」
尚子さんがどうしたんだ!?
「あの…まず落ち着いて下さい。尚子さんになにがあったんですか?」
お妙のようすで嫌が応にもわかる。
-ただ事ではない-
「兎に角…屋敷へ…お嬢様に会って下さいまし」
そうお妙にうながされ、政太郎は尚子の屋敷へ急いだ。



屋敷に着き尚子の部屋へ通された。
政太郎は愕然とした。
ベッドに横たわる尚子は先週会った時よりもはるかに痩せ、息もたえだえだった。
「君が政太郎君かな」
いきなり後ろから声をかけられた。
「はい…」
「尚子からよく聞いているよ。よかったら声をかけてやってくれないかな…」
悲しそうな顔と声で話す彼女の父の横で一人の女性が泣いていた。
この人が母親なんだろう…
「尚子さんはどこか悪いのですか?」
流行り病なのだろうか、それとも昔から大病を患っているのだろうか
「産まれた時から体の弱い子でね…10才まで生きられないと言われていたのだが、今や16才…医者も驚いていたのに…」
堪えていたものが溢れたのか…父親も泣き出してしまった。
政太郎は両親に一礼して、尚子の側へ行った。
「尚子さん…僕です。政太郎です。わかりますか?」
声をかけると閉じていた尚子の瞼がうっすらと開いた。
「せい…太郎…さん?」
途切れ途切れに名前を呼ぶ。
「はい。政太郎です。お見舞いに来ました」
「…ありがとう…ごめん…なさい…ね…こんな…みっともない格好で…」
「いえ、全然。いつもと何もかわりませんよ」
詰まるものを必死で抑え、平静を装う。
暫く沈黙が続いた。
「あのね…政太郎さん…」
尚子が口を開いた。
「はい、なんですか?」
「私…あなたに伝えたいことが…あるの…聞いて頂けるでしょうか…」
「勿論です」
尚子が微笑む。
「私…痛かったけれど…あの日…転んでよかった…」
「はい」
「悲しかったけれど…日傘が折れて…良かった…」
尚子と政太郎二人の目に涙が溢れてきた。
「あなたが…帰ろうとしたとき…思いきって声をかけて…良かった…」
「…っ…はい」
政太郎の目から涙が溢れた。
「あなたと出会えて…良かった…」
「僕も…あなたに出会えて良かった…あなたと話している時間は…とても幸せでした…」
もう涙を抑えることが出来ない。
彼女は今日、死んでしまう。
「そう言って頂けるなんて…嬉しい…」
政太郎はもう声をかけることができなかった。
おえつが漏れ言葉が声にならない。
「泣かないで…政太郎さんも…お父様も…お母様も…ばあやも…私…短い生涯だったけれど…幸せでした…」
皆言葉がかえせなかった。
「政太郎…さん…私…あなたの…ことが…………」
「尚子…さん…?」
握っていた手から力が抜けた。
「尚子さん!!尚子さん!!続きは?僕のことがなんですか!!続きを教えて下さい!!目を開けて下さい!!」
どんなに叫んでも尚子には届かない。
頭の片隅では理解していた。
それでも政太郎は尚子を呼び続けたが
「政太郎君…もう…もういい」
父親にそう言われ、肩に手を置かれた。
その瞬間政太郎はその場に崩れ、その後をただ見ていることしかできなかった。
後日執り行われた葬式には有名な旧家ということもあり多くの人が参列した。
政太郎は家まで行ったものの、中に入ることができなかった。
尚子がもういないということを認めたくなかったのだ。



尚子がこの世を去りどれくらいが経っただろうか。
政太郎は25になり、翌日には結婚を控えていた。
そんな日の夜のこと、それまで一度も見なかった尚子の夢をみた。
「政太郎さん」
真っ白い光の中に尚子がいた。
「尚子…さん?」
「ふふ。そんな顔しないで?あの日言いかけた言葉を言いにきましたの。」
尚子は光の中で昔となにひとつ変わらない笑顔で政太郎を見つめていた。
「私…あなたのことが好きでした」
政太郎はただ黙って聞いていた。
「それでね…神様が私の願いを聞いて下さったの。いつになるかはわからないけど…私、政太郎さんの側へ行けることになったの」
とても嬉しそうに尚子が話す。
「政太郎さんなら絶対わかるって私信じています。だから、奥様になられる方といつまでも幸せでいて下さいね?でないと、私あなたの側に行けないもの」
尚子の言葉に「わかった」と答えた瞬間に目が醒めた。
どうやら泣いていたようだ。
ふと外が気になりカーテンを開けた。
雪が降っていた。道理で今夜は冷えるわけだと考ながら、尚子が他界した日を思い出した。
「そういえば尚子さんがなくなったひの朝も雪が降っていたよな……」
淡く…そして儚い雪のような…実らなかった恋。
「いつの日かあなたにまた会えると信じて僕は幸せになります」
外の雪を見ながら尚子に誓った。
――「可哀想な人だったんだね…」
「そうだな」
日はすっかり落ち、夕食の匂いが部屋まで届いていた。
「で、私はその尚子さんの生まれ変わりなの?」
「どうかなぁ…時代で人も変わるからねぇ…」
そう言いつつも尚子と孫を重ねて見ることは幾度もあった。
「なんか"御話し"見たいなおじいちゃんの初恋物語だけど…憧れるなぁ」
羨ましそうな目で政太郎を見る。
「なんも良くないぞ。相手は死んでしまったんだからな」
「そうだけどさぁ…」
でもそんな切ない恋もしてみたいと思うのが乙女心である。
「尚子!おじいちゃん!ご飯よ!」
母の呼ぶ声がした。
「さて、晩御飯だから今日はおしまいだ。この匂いは…シチューかねぇ…寒い日は温かいご飯にかぎる」
年寄りはご飯となるとすぐ飛び付くんだからと呆れる。
「そうだ、尚子。お前今日宿題はどうした?」
なぜいきなりそれを振る。
「ご飯食べたらちゃんとやるよ」
尚子の答えを聞いて政太郎はよしよしと頭を撫でる。
食卓には今朝とは違い温かい母の笑顔とおいしそうな食事がならんでいた。
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